レンジマスターへの道~水深把握術・レンジ別攻略法~
エギ『Draw4』知り水深を知る!
水深を把握するには、まずエギのフォールスピードを把握することが大前提です。
フォールスピードはパッケージに1mあたり沈むのにかかる秒数が記載されています。
例えば『Draw4』の3.5号で3秒/m、3.5号Deepで2.4秒/m、『モンスター ザ ライド』4号で3秒/mとなります。
これを元にカウントを取りながら、フォールさせていく事で水深を把握する事ができます。
このフォールスピードを目安に、太いラインを使っている時やカーブフォール時はラインの浮力やテンションが掛かる事でフォールスピードが遅くなるので目の前でカウントを取りながらフォールさせて1mあたりフォールするのに掛かる時間を把握しておきましょう。
そして、重要なのが着底を確実に見分けることです。
フリーフォールの場合はキャスト後に一度ラインスラックを取り、ラインを真っ直ぐにして再び水面に糸フケ出をしてやります。
フリーフォール時
ラインが真っ直ぐになった状態
フォールさせているうちに糸フケが無くなりラインが張りますがこの状態の時はまだ着底していないので、ラインにテンションが掛かる前に再び糸フケを出します。
この繰り返しでフォールさせてラインが水中に入っていくのが止まったところで着底となります。
また、テンションが掛かった状態でフォールさせるカーブフォールの場合はキャスト後、糸フケを取り、ラインにテンションが掛かり、軽くティップでエギの重みを感じられる状態にします。
フォール中はラインにテンションが掛かった状態が続きますが、ラインテンションが抜けてラインがたるんだところで着底となります。
ナイトでの釣行の場合はラインの動きを目で見みて確認する事が出来ないので、ロッドを持っていないほうの手の指の腹にラインを乗せておくと着底するとテンションが抜け着底したタイミングが分かりやすいでしょう。
レンジキープで効率のいいエギングを!
まず、レンジキープをするにはエギの動きを知る事も大切です。
これは、どんなに正確にカウントを取って同じ時間フォールさせていてもアクションの段階でどの程度の力、ロッドの振り幅でシャクるとどのくらいエギが跳ね上がるのか、前へ移動するのかを把握したうえで、エギの動きに見合ったカウントを取ってフォールさせてやらなければ必然的にレンジは変わってしまうからです。
エギの動きを知るには自分の立ち位置から見える範囲に軽くキャストして様々な強さ、ロッドの振り幅でエギを動かしてやることで実際に自分の目で見て確認することができますので、同時にカウントを取ってフォールさせて、どの程度の強さでシャクッた時に攻めたいレンジをキープするには何秒フォールさせなければならないのかを把握し、同じことを沖でも繰り返すことでレンジキープする事ができます。
なお、動きをチェックする際は視認性の高いオレンジやイエロー系のカラーのエギを使うとより分かりやすいでしょう。
レンジキープについては狙いのレンジを攻める時だけでなく、根掛かりの多い場所でボトムスレスレを攻める時にも必須テクニックであり、根掛かりを回避しエギのロストを減らすことができ効率よい釣りが展開できます。
また、藻場の上を攻める時にも必須テクニックとなります。
毎回藻に引っ掛けていたのでは効率よく釣りができませんし、アオリイカに余計なプレッシャーを与えかねません。
藻場には背の高い藻が点在しておりそれらに引っかかってしまうこともありますがレンジをキープすることで藻への根掛かりを最小限に減らして効率のいい釣りを展開しましょう。
そして、ここで「レンジキープで効率のいいエギングを!」と書かせていただきましたが、1つだけ注意していただきたい事があります。
それは「効率がいい=テンポの早い釣り」という解釈ではなく、あくまでも「効率がいい=無駄の少ない釣り(根掛かり、ロストなど)」と捉えていただき、釣りが早くならないように注意してください。
ありがちなのがレンジキープを意識するがあまり次のアクションへの移行が早くなってしまい、食わせの間となるステイがとれていない事です。
この食わせの間がなければヒットチャンスが激減し、逆に効率が悪くなってしまいますので、ラインテンションを張ってエギがステイしている時間をしっかり取って食わせの間を与えてやりましょう。
ボトムでのアクション
ボトムには大型の個体が潜んでいる事も多いですが、活性が低いアオリイカも多いように感じます。
よって、アクションは大型や低活性時にも効果的なスローなアクションを心掛けます。
しかしながらアオリイカは障害物の陰に身を潜めていることも多いので高くシャクリ上げてエギの存在を気づかせてやらなければなりません。
ロッドアクションは大きくスローに2~3回、シャクリとシャクリの間隔をひと呼吸おいてアクションを付けます。
シャクッた後にエギの頭が下がってフォールし始めたとろで次のシャクリへ移行し、フワッフワッと弱ったベイトの動きを演出しながらアプローチしていきます。
そして、着底後はラインを張らず緩まずの状態でロングステイを入れて食わせの間を与えてやります。
イメージとしては弱ったベイトの頼りない動きからのロングステイでスレた大型の個体や低活性の個体でも安心して簡単に捕食できる状態をイメージしています。
なお、ロングステイ後は軽く聞きアワセを入れてから次のアクションへ移行しましょう。
また、基本はスローですが、時折、激しくアピール度の高いアクションも入れつつアクションが単調にならないようにアプローチしていきましょう。
中層でのアクション
ボトムから離れて中層付近にいるアオリイカはベイトを追っていたり潮の流れに付いていたりと何かの要因があり浮上してきているはずなので、活性が高い個体が多いように感じます。
このような個体にはいろんなアクションでとにかくエギに興味を持たせたいので、アピール度が高く速い動きでの激しいダートをメインに、同じアクションで単調にならないように反応がなければスローなアクションや、リトリーブによるスイミングなども取り入れてアプローチしましょう。
また、1回のアクションの中で激しい動きとスローな動きを混ぜても効果的です。
まず、激しくダートさせてエギの存在をアオリイカに気づかせ、興味を引かせます。
そしてボトムでオススメしたアクションのようにエギをしっかり見せて追いかけやすいフワッフワッとスローな動きを入れてカウントを取り任意のレンジまでフォールさせてステイでアプローチしてもいいでしょう。
なお中層を攻める際はレンジキープを意識するがあまり釣りが速くなってしまわないように、食わせの間となるステイをアクション後とフォール後に取る事をお忘れなく。
中層を攻める要因
私の春のエギングは基本的にボトムをメインにしつこくネチッこくスローに攻めていくというスタイルです。
よって、何かの要因が無ければ、いきなり中層を攻めていくという事は滅多にありません。その要因というのがまず、潮が動いているレンジを見つけた時です。
これは中層だけに限ったことではありませんが、海は基本2枚潮となることが多く、ある程度、フォールさせるとエギが流れなくなったりシャクッった時に軽くなり、潮が動いていない状況があるかと思います。
この、潮の変化をボトムを攻めていながらも感じとれるように意識しています。
見極め方ですが、着水後のフォール中に潮が動いていてエギが流れているレンジが無いか、ラインの動きを見ながら見極めています。
また、潮目が入ってきた時にはカウントを取ってはシャクッった時に重たくなる潮の動いているレンジを探して重点的に攻めるようにしています。
そして、その他の要因はベイトが入っている時にベイトの泳層に合わせる時やアオリイカの付き場となる事もあるロープ際を攻める時、夕マズメ、朝マズメなどの光量の時合や月夜などでアオリイカが浮き気味になっているであろう状況下です。
まとめ
十人十色、エギングにおけるレンジに対する考えは人それぞれあるかと思いますが、実際、私はアジングやメバリングほど、シビアにレンジを意識していません。
大事なのは海中の変化に気づき、アオリイカがいるであろうレンジを確実に効率よく攻める! それに必要なのが水深とレンジの把握、レンジキープ。
よって、私の中でエギングのにおけるレンジは海の中の変化点(潮、シモリ、藻)を捉え、その変化点にエギを効率よく的確に送り込み、アプローチしていくためのツールとして位置づけています。
また、レンジ別でのアクションの使い分けに関してはここで書かせていただいたのが自分のスタイルですが、「絶対にこの釣り方!」という固定概念は持たないように心掛けています。
なぜなら自分のスタイルが急にハマらなくなり釣れなくなるという事があるからです。
そんな時は自分のスタイルをベースに考えつくありとあらゆるメソッドを試すようにしています。釣りは自然相手ですから全く同じ条件で釣りができることはまずないでしょう。
その状況の変化を把握し柔軟に対応する事こそが最も重要であり、その状況に対応できた時は引き出しが増えレベルアップへと繋がるのではないでしょうか。
シンプルな釣りだと思われがちなエギングですが、釣り上げた1杯のアオリイカには様々な要因が含まれており、レンジもまたその中の一つです。実は考えればきりがないほどに奥深い釣りあるエギング。
それを考えることもまた楽しい時間であり釣れた要因が明確な1杯は喜びもひとしおでしょう。
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